ミニッツメイドの「からくり装置」を使ったTV-CM

いつも目にしているCMなのに、あらためて見ると、
ああそうだったのか、と気付かされることも決して少なくありません。
日本コカ・コーラの果実飲料「ミニッツメイド」の現在オンエア中のCMも
私にはそういったもののひとつでした。
「リンゴと私」篇(ブランドサイトCM紹介ページ)

これまでに幾度とこのCMには遭遇していたはずなのですが、
これが「からくり装置」を使ったCMだとさっき初めて気付きました。
おそらくは、いままではCMソングにばかり意識が行っていたのでしょう。


最近では、この「からくり装置」を用いたCMが目立っていますね。
先程のエントリで触れた英国HONDAの「Cog」もそうですし、
アルゼンチンで制作されたギネスビールのCMもまた然り。
Guiness: "Tipping Point" (90sec.)

かつて制作会社に勤務していたことがあるので、
きっとこのミニッツメイドCMのクリエイティブ提案前の打合せや提案資料では
前述のHONDA「Cog」や、ピタゴラ装置DVDの映像、
もっと言えば映画『グーニーズ』の中のシークエンスとか使われただろうなあ、
などとありありと想像がつくのですが、にも関わらず、
なかなかこのCMが「からくり装置」を使ったCMだということに気付かなかったのは、
ひとつにはメディアの問題によるところが大きかったのではないかと思います。


「メディアの問題」、というか、
表現(中身)はメディア(ハコ)に多分に依存する、と言いますか。


日本ではTV-CMはほとんどが15秒のスポット。
しかし、この15秒だと「からくり装置」の妙は十分に表現しきれないと感じます。
しかも15秒をフルに「装置」にあてられるというわけではなく、
15秒タイプの場合、通常45フレーム(1.5秒)のCIやロゴカット、
そして商品ディスプレイカットなどを差し引くと、
10秒前後で「装置」を見せなくてはならないことになります。


そうすると、「はやり」とはいっても、尺があまりに限られてしまい、
なかなか「からくり装置」をCMの表現に活かすことは、日本では難しいのかも知れません。
あるいは、そこを補完するのがネットでの配信だったりするのかもなあ、と思います。


ちなみに、ここまで「からくり装置」と言ってきましたが、
ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」という難しい呼び名があるようです。

ピタゴラ装置DVDブック1

ピタゴラ装置DVDブック1