元旦の新聞広告

昨日の新聞の広告は出版社のものが目立ちました。
いずれも「温故知新」的なことを謳って、本を読むことを訴えます。


元旦の朝日新聞を1面からめくって見ると、

といった具合。


特に2面の新潮社の広告は悲痛でした。


不便は便利。
「紙の本」は、ネット社会の中で人間の感覚が求める
“最先端のスロー・メディア”です。


スピードと量で勝るネットからの情報に対抗する
「紙の本の価値」を提示しています。


しかし、ネット情報の洪水の中で
じっくりと物事を考えることが出来るでしょうか。
むしろ、「紙の本」のページをめくっていく
人間本来の感覚に合った時間の中でこそ、
物事をより深く考える手がかりと
力が得られるのではないでしょうか。


紙メディアの利点(書き込んだり折ったりできる)から私は本が好きだし、
その情報の深さなどはネットに勝る点だと思うのですが、
「『紙の本』のページをめくっていく人間本来の感覚に合った時間」は
ネット憎さのあまり、力んでしまった感じが出ていますね。
「紙の本」ですら、一般的なメディアとしての歴史はたかだか数百年、
「人間本来の感覚」とは言えませんね。


出版社が今後ビジネスモデルを変えていく必要があるさなか、
広告からはどこか旧態依然とした感じばかりが目立つなあと思いました。