「ヱビス」の新CMと販売戦略

25日付でサッポロビールさんから「『ヱビスブランド』新TVCMのお知らせ」という
プレスリリースが出されています。


ヱビスブランド」新TVCMのお知らせ
新CMキャラクターに「小泉今日子」さん、「浅野忠信」さんなどを起用
〜ちょっと贅沢なビールから、時間をおいしくするビールへ〜
サッポロビール株式会社(本社・東京、社長・福永 勝)では、2009年の「ヱビスブランド」の新TVCMを2009年1月2日(金)から、全国で放映します。
2009年の「ヱビスブランド」は、特別な日に特別な料理と楽しむ「ちょっと贅沢なビール」というコンセプトを変更、『ヱビスは、時間をおいしくします』を新たなキーコンセプトとして展開します。「夫婦でゆっくり飲む」「休日の夕食に飲む」「気の置けない友人が来たときに飲む」「1人の時間を楽しみながら飲む」など、何気ない日常の時間に「ヱビス」があることによって、豊かで幸せな時間に変わることを訴求していきます。
新CMのキャラクターは、小泉今日子さん、浅野忠信さん、高橋幸宏さんといった生き方、センスにこだわりのある三人。「ヱビスビール」と一緒に過ごす“おいしい時間”を表現していきます。また、「ヱビスビール」のCMに加え、翌年3月4日(水)に期間限定発売する「シルクヱビス」のCMなど、ブランド全体を通して登場。「ヱビスブランド」では初めてのブランド共通のCMキャラクターとして活躍します。
2009年、サッポロビールは「ヱビスブランド」から、ビールとともに過ごすおいしい時間を提案するべく、コミュニケーションに力を入れていきます。
ヱビスビール」は、明年2月に発売から120年目を迎えます。「ヱビスブランド」は、歴史や伝統を根底に据えつつ、時代に合わせた新しい「ビール文化」を発信し、多くのお客様に「おいしい時間」を味わっていただけることを願っております。


「ちょっと贅沢なビール」から「ヱビスは、時間をおいしくします」へと、
コンセプトが変更されています。
「プレミアム」の価値を、「贅沢」から「時間」に捉えなおしたわけですね。


背景としては、


今年、消費者の節約志向などの影響で販売数量が約1,100万ケースと前年実績を一割程度下回る見通し

という、消費者意識に関わるものと、
競合商品のサントリーザ・プレミアム・モルツ」の追い上げがあるでしょう。


「消費者」が単なる「贅沢」からは離れ気味なのは事実なので
コンセプトを変更するという選択は正しいのですが、
競合「ザ・プレミアム・モルツ」もWebサイトを見てみるとわかるように
「プレミアムな美食の時間」というキャンペーンや、
一休.comとのタイアップ「至福な時間が楽しめる『一休な宿泊』」など
こちらも「時間」をキーワードとしているようですので、
結果的に正面からぶつかる構図となってしまっています。


サッポロビールとしては、来年は勝負の年と考えているらしく、
その他にもいろいろと行うことが昨日の日経産業新聞には書かれていました。



サッポロビールは25日、2009年の「エビス」ブランドの販売戦略を発表した。テレビ広告を今年の2倍に増やすほか、女性をターゲットにした期間限定の新商品を投入する。ブランドのアンテナショップとして飲食店「YEBISU BAR」も開く。販売数量は1,200万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と08年の見込みより1割増を目指す。
テレビ広告には小泉今日子さんや浅野忠信さんらを新たなイメージキャラクターに採用。述べ視聴率を示すGRPでエビスでは過去最大級の15,000GRPを放送する。
3月4日には小麦麦芽を使った「シルクエビス」を発売、約2カ月間で45万ケースの販売を目指す。滑らかな味わいに仕上げ、苦みを嫌う傾向が強い女性の支持獲得を狙う。「YEBISU BAR」は業態の内容などを詰めており、09年上半期中に都内で一号店を開く。


日経産業新聞, 2008年12月25日.


Link:サッポロビール ニュースリリース 2008年12月25日