ブックデザイナーの祖父江さん

もう先週の日曜のことですが、
TBS『情熱大陸』にブックデザインを手掛ける祖父江慎さんが出ていました。


しりあがり寿が好きだったので、
祖父江さんのことはそのルートを辿って知るようになったのですが、
その彼が印象的なことを言っていました。ざっくりとヌキガキ。覚書き。

自分の職業の肩書きとして「装丁家」と呼ばれるのは好きじゃない。「〜家」というのは世界を生み出す人だから。「作『家』」とか、「画『家』」とか。僕の仕事はそれを手伝うくらいのこと。「これは祖父江さんの『作品』ですかー」なんていう人がいるけれど、それは違う。綾辻行人さんの本はあくまで綾辻さんの「作品」でしょ。「本のデザインをした人」くらいの呼び方がちょうどいい。

私もこんな言葉を聞かずに祖父江さんを前にしたら、
きっと「祖父江さんの作品が好きで…」なんて言ってしまいそうですが、
この言葉にハッとしました。


彼の謙虚な人柄もあらわれているのですが、それだけでなく、
「クリエイティブ」とか「クリエイティビティ」って何だったっけ、と
あらためて考えさせられるひとこと。


意外とこれは古典的な美学的議論にもつながる深い言葉でもあります。
そんな話はまた追々。

グラフィック・デザイナーの仕事

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