2008年は「手ごたえ経済」

博報堂生活総合研究所から「Research News 生活動力2008」が
昨日リリースされています。(PDF文書


「生活動力」は、博報堂生活総研が毎年年初に発表しているもので、
アンケート調査結果から導いた「未来に向けた生活者のベクトル」。
要は消費傾向の予測です。


かいつまむと、今年の傾向は「【手ごたえ】を求める消費」。


景気は回復しつつあって、経済力も取り戻してきたものの、
経済以外の部分を見ると「喪失の時代」だとまず言います。
これは合理性・効率性を重視することなどによって、
切り捨ててしまったものがないか、という視点です。


しかし、消費者はいま、その切り捨てたものを欲している、と
話は続き、こうまとめています。


生活者は、モノやサービス、コンテンツの消費を通じて、暮らしの中に【手ごたえ】を創り出していこうとするでしょう。
「その製品やサービスに、手ごたえがあるか、ないか」、それが選択基準となる時代です。効率性や合理性が価値として取引される経済から、手間暇や体得、知識の重みなどが価値として生産・消費される経済への発想転換が求められます。
効率性の結果として得られた余剰所得や時間の向かう先なのか、
それとも単に効率至上イデオロギーへの反動なのかはわかりませんが、
揺り戻しが起きているのは確かだと思います。


そして同様なことがインターネットという場でも起きているのは、
言うまでもありません。
効率性一辺倒から、体験の重視へのシフト。


最後に、昨年末にいろいろと出ていた、
各社の2007年の消費キーワードを一応まとめておきます。
(要約は「日経ネットマーケティング」2008年1月号より)


ネタ共振消費(電通PDF文書
消費者同士がSNSなどを使ってつながりを広め、深める中で、何かのネタをきっかけにはじけるような盛り上がりを見せる現象が目に付くようになった。これを、2007〜2008年の消費潮流として「ネタ共振消費」と名付けた。


消費の欲求4景【原景・別景・編景・瞬景】(博報堂PDF文書
メガヒット商品だけでなくロングテール消費にも注目し、消費動機を「消費の欲求4景【原景・別景・編景・瞬景】」と名付けた。さらに、情報があふれる前の時代にあった素朴さに関心を持つ「『素』の感じ直し」など11のキーワードを抽出した。


スパイク消費など(野村総合研究所リンク
ブロードバンドの普及に伴って変化した日本人の消費スタイルを「IT消費」と名付けた。さらに、インターネット上での商品情報流通によって売れ行きが突発的に伸びたり、落ち込んだりする「スパイク消費」など、10種類に分類した。


※関連書籍:博報堂生活総合研究所『生活動力2007 多世帯社会―世帯が変わる 世界が変わる』

大衆化するIT消費

大衆化するIT消費