マドンナの収益モデル転換

内田和成さんのブログからおもしろいと思った記事。
3月11日の日経新聞のコラム「地球回覧」について触れています。


一言で言えば、ネット配信が増えて儲からなくなったCD販売に見切りを付けて、コンサートツアーで稼ぐビジネスモデルに転換したという話だ。
筆者によれば、マドンナの曲を19曲を聴きたいときにCDで買うならアルバムを数枚買う必要があり、約100ドルするのに対して、ネットによる1曲ごとの購入なら19ドル足らずですむ。これではミュージシャンもレコード会社も儲けが薄い、ところがマドンナのコンサートに1家3名で行って、曲を19曲聴けば500ドルもかかるという。マドンナがCD販売からコンサート中心に軸足を移したのは大成功で、そのために2008年の収入は2億4千万ドル(約240億円)に上るという。たいしたビジネスマンだ。

それを受けて、内田さんが


一見昔と同じような財やサービスを提供している企業でも、何を稼ぎの中心とし、何をプロモーション(撒き餌)とするかをはっきりさせる必要がある
と述べていることに納得。


サカモト教授がライブ音源をiTunes Storeですぐに配信している(関連エントリ)のも、
ライブに来た観客が購入するのではないかという見込みからでもあるでしょうし、
公演ごとに少しずつ違う演奏をコレクトしたいという熱心なファンに向けてもいるでしょうが、
価格破壊の起きたソフトを、逆に「安価なプロモーション材料」として活かしているとも捉えられますね。


いずれにせよ、アーティストの活動・収益の中心がライブへとシフトするのは、
パッケージ化された音源が音楽ビジネスの主力商品だった状況からの原点回帰ともいえます。


via 内田和成のビジネスマインド