日経MJの雑誌『Sweet』10周年の広告

ちょっと前ですが、4/15付けの日経MJ紙では『Sweet』の広告が目立っていました。


これが、60万人の女の子の
ハートをつかむ雑誌です。

中身があるから、読まれてる!創刊10年で、いよいよ60万部へ。


めくると見開きでカラフルなグラフィック。
何かと思えば、最新号のほぼ全ページ(広告ページ含む)がコラージュされています。


そしてさらにめくると編集長名でメッセージ。


日経MJをご覧の皆さまへ


春を迎えても、まだまだ世間は『冬の時代』といわれています。
ですがそんな中にあっても、変わらずに元気でいつづける人たちを、ご存知ですか?


それは、女の子。
不況だろうとおしゃれはやめない、そのパワー。
どんな状況でも物欲を捨てない、そのエネルギー。


「sweet」が、今号ついに60万部というファッション誌でNo.1の
発行部数を達成できたのも、きっとそこに秘密があるのだと、私は思います。
創刊以来10年間追いつづけてきた『開くだけで広がるハッピーな世界』という編集方針と、
女の子たちの世相に流されない圧倒的なポジティブさ、その2つが相乗効果となって、
時代に負けない“熱”が生まれた――そういえるのではないでしょうか。


今回はぜひとも、その“熱”を皆さまにも感じていただきたく、
関係各方面に多大なるご協力とご好意を賜り、
今月号のほとんど全てのページを掲載させていただきました。


もし、「sweet」にほんの少しでも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、
ぜひ弊社まで、お気軽にご連絡をいただけませんでしょうか?
かつてないアイデア・企画・アピール方法・・・etc. 私たちがささやかながらも
お力になれることがありましたら、何でもお声掛けください。


「もしかすると世界経済を救うのは、女子たちの元気なんじゃない!?」
・・・なんて、ちょっとだけ本気で考えている私がいたり。
今こそ、彼女たちに負けないくらいの力強さで、ご一緒に未来を切り拓いていきましょう!


日経MJに出しているというわけで、編集長からのメッセージからも明らかな通り、
企業のマーケターに向けた情報発信で、

  • 消費の牽引役である「女の子」から多大な支持を集めていること
  • イデア

のアピールです。


4/9付けの日経産業新聞の記事にも「Sweet」の部数躍進が取り上げられています。
それによれば、「Sweet」の躍進の要因は「付録」によるところが大きい。


宝島社の月刊女性誌「Sweet」は30歳前後のアラサー女性誌分野でトップの発行部数を誇る。11日に発売する5月号は過去最高の60万5千部を発行し、4月号の46万部から急伸する。そのワケは付録にある。
「この付録なら60万部いける、と取次店からお墨付きを得た」。渡辺佳代子編集長(37)は顔をほころばせる。付録は「Cher」のトートとポーチのセット。60万台は宝島社の全雑誌でも過去最高だ。数カ月先の雑誌の部数をめぐる取次店などとの交渉で、決め手になるのは「企画の内容よりも付録の存在」と打ち明ける。


日経産業新聞, 2009年4月9日.


「企画の内容よりも付録の存在」とまで言い切ってしまうのも、裏付けがあってのこと。


渡辺さんが編集長に就任した99年11月の部数は2万部。2002年に試しに付録を付けたところ売り上げが増加し、04年からは毎号に付けている。
雑誌不況を生き抜くには類似誌の中で一番になるしかない。そんな「一番誌戦略」を掲げる宝島社は付録を含め、販売促進に力を入れる。コンビニエンスストアの雑誌棚で目に付きやすいように付録の写真をあえて題字にかぶせるのもその一環。「題字を汚したくない」などといった本の作り手にありがちなプライドは捨てている。
(略)
渡辺さんは一度だけ「付録をやめたい」と上司に訴えたことがある。「雑誌を作る者として読者を付録で釣るうしろめたさがあった」。雑誌は当時10万部台で順調に伸びていた。付録でなく、雑誌の中身が良くなった効果を確かめたかった。
1号だけ付録を外した結果は「見事に売れなかった」。それで吹っ切れた。その後、付録戦略で部数を急伸させ今に至る。年内には70万部を発行する目標だ。


同.


付録主体で、情報がサブとなったとき、定価というものは付録によりけりとなります。


付録の開発は編集長の重要な仕事だ。袋物と呼ぶバッグ類が人気だが、どのブランドと組むかで買い手の反応が変わる。「感覚で選んでいる」とさらりと語るが、商品としてのお得感を出すため知恵を絞る。
例えば雑誌の価格設定。650円の定価を、620円に下げたり670円に上げたりして、消費者の感じるお得さの加減を操る。5月号では780円にして付録の豪華さを強調する。


同.


さて、こうして部数の伸びている「Sweet」は金のなる気になろうとしています。


民間の調査によると、同誌の広告出稿量は08年に1,374ページ相当となり、前年から倍増した。単価を安めに設定し、発行部数とのバランスで広告主にもお得感をアピールする。広告収入は数千万―2億円。5月号が想定通りの売れ行きなら、広告収入抜きの販売収入だけで単体の収支が均衡しそうという。


同.


広告収入抜きでも収支が均衡する勢いの「Sweet」。


MJ掲載の広告ではマーケターへ「Sweet」の媒体力を訴えていますが、
結果、広告収入もさらに伸びるとすれば出版不況のなか、まさに「金のなる木」ですね。