「保温家族」

博報堂生活総研から「日本の家族20年変化」と題した調査結果が発表されています。


博報堂生活総合研究所は、日本の家族の現状とその行く末を見極めることを目的に、1988年より10年ごとに、家族に関するアンケートを同一質問で実施し、日本の家族について研究を重ねてまいりました。(略)
収入の多寡で主導権争いをするのでも、自律した個の集合体として互いを必要以上に尊重するのでもない。空気のような存在である“安息の場としての家族”を、悩んだり迷ったりしながら、それぞれが何とか維持しようとメンテナンスしているのが、今の日本の家族の現状のようです。家族ならではの心地良さを意識的に保持する「保温家族」へと向かっています。

少し意外な結果です。「Research News」によればポイントは、

  • 高まる家族維持意識
  • 自分よりも家族
  • 家族維持イベントの増加
  • しっかりと健在する家族のお茶の間

といったあたり。


いわゆる「格差社会」の議論のなかで富と教育の再生産の場とされる「家族」は、
自明のものではなく近代的な「制度」であると言われるわけですが、
一方で不景気など外部の環境悪化により「居心地の良い場所」として浮上しているのかな。


Link:生活総研 Research News(PDF)