「逆チョコ」に思うこと。

「待つより、いっそあげよう。」とコダ氏がいいことを言っているんですが、
その「逆チョコ」について。



森永製菓は、バレンタインデーに男性から女性へチョコレートを贈る新トレンド“逆チョコ”にちなんだ「逆」チョコレート3製品を2009年1月13日からバレンタイン時期限定で発売する。デザインを反転させたユニークなパッケージを採用した。
逆ダース<ミルク>」(価格は120円)、「逆カレ・ド・ショコラ<フレンチミルク>」(同315円)、「逆小枝<ミルク>」(同179円)の3製品。いずれも通常デザインを反転させた「逆デザイン」に、「今年は逆チョコ。」のキャッチフレーズを入れた。中身は通常品と同じ。
同社が2008年12月に実施した意識調査によると、男性の72.8%がバレンタイン時期に身の回りの女性にチョコレートを贈っても「よい」と答え、女性も98.3%がチョコをもらえたら「うれしい」と回答した。また、女性の20.0%がチョコをもらった男性を異性として「意識すると思う」、 57.5%が「人によるが、意識すると思う」と回答し、8割近くが恋に発展する可能性を示唆したという。


日経トレンディネット, 2009年1月7日.

これ確かに「コンセプト勝ち」といえば「コンセプト勝ち」なんですが、
「コンセプト」が勝ちすぎちゃっているきらいがあります。


目のつけどころはいいと思うんですが。
従来の「バレンタインデー」と「ホワイトデー」の2つに需要期を分けるのではなく、
「バレンタインデー」需要を2倍にするって発想。
まあ、海外では2月14日に男女がお互いお菓子を送り合うわけですし。


記事中のメーカーによる「意識調査」の結果は納得できるものの、
「恋に発展する可能性」を期待するのであれば、もうちょっと高めのチョコを買いますよね。
プランタン調べでも、女性の「本命チョコ」の平均価格は3,000円強なんですから。


とすると、「逆チョコ」ってコトバは非常にキャッチーなので
このワードや、もしかしたら行為は流行るかもしれないとは思いつつも、
一方で、この商品には落ちないんじゃないかなあと思ってしまいます。


でも、「義理逆チョコ」としてたくさん買わせるってことを狙ったり、
ロッテみたいに自社系列で高級チョコラインがあるならば(参考)、すごいと思います。


ところで、あらためて上記記事の「意識調査」にある、


女性の20.0%がチョコをもらった男性を異性として「意識すると思う」、 57.5%が「人によるが、意識すると思う」と回答し、8割近くが恋に発展する可能性を示唆した
という結果は興味深いですね。


以前のエントリ(リンク)でも一度書いたことがあるように、
コミュニケーションにおいては「最初に与える」ということが重要。


これは贈与論の話ですが、コミュニケーションのゼロ地点から一歩を踏み出すということは、
相手に「返礼しなければならないという負債感」を発生させる、ということで解釈できそう。


Link:日経トレンディネット
関連エントリ:
「『少し多く繰り返す』」(2008年3月14日)
「プランタン銀座×ヴァレンタイン」(2009年1月13日)