JALの苦肉の策

交通機関ということで採算が合わないからといってすぐには便数を減らせないうえ、
日本では航空運賃は事前届出制のため、景気に柔軟に対応しづらい。


そこで出た策は、「航空機の搭乗制限」を行うことによる乗客削減、コスト圧縮。


日航、旅客機定員削減を検討=ジャンボ2階閉鎖などでコスト圧縮狙う
日本航空が、旅客需要の急減を受け、乗客の定員を事実上削減する航空機の搭乗制限を検討していることが8日、明らかになった。国内外の路線網を維持しながら、コストを圧縮する効果を見込む。実現すれば国内航空会社で初めてとなる。搭乗制限は、座席の一定区画に間仕切りを設けたり、B747「ジャンボ」の2階席を閉鎖したりして、一部の座席を「ないこと」にする。


時事通信, 2009年1月8日.

原油価格の下落によって燃油サーチャージは引き下げられたものの、
運行コストはなお上昇していて、実は価格転嫁されています。


全日本空輸は7日、国際線普通運賃を4月に7〜13%値上げすると発表した。加盟する国際航空運送協会(IATA)の運賃調整会議の決議に基づく措置で、日本航空も昨年末に同様の値上げを発表済み。高騰していた燃料価格は大幅な下落に転じているが、航空機部品や運航関連コストが増えており負担を利用者に転嫁する
両社の4月の国際線普通運賃の上げは3年連続で、昨年10月にも一部路線で緊急の値上げをしている。両社同率の値上げで、幅は北米・ハワイ線が13%、韓国・インド線が10%、中国線が7%。東京―ロサンゼルス線のビジネスクラスの場合、平日の往復運賃は現在より88,600円高い769,500円となる。
国際線は割引運賃が浸透しており、北米線などでは値引き競争も激しい。燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が1月に引き下げられたこともあり、一般消費者への影響は限定的と見られるが、ビジネス需要は一段と冷え込む恐れがある。


日本経済新聞, 2009年1月9日 朝刊.

そうしたなかでのコスト削減策。
もう一方で、他社との提携(共同運航)によって競争力の強化も図っています。


日本航空は7日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)との共同運航(コードシェア)を14日から拡大すると発表した。BAが運航する英国内4路線とポルトガル線に日航の便名を併記する。景気低迷で国際線の旅客需要が急減しており、ネットワーク拡大で利便性を高め顧客離れに歯止めをかけたい考え。


日本経済新聞, 2009年1月9日 朝刊.