不景気時代のメディア受容のトレンド、二様。

10月から部署に異動になってきた女の子が「ゴシップ誌が好き」と言ってたところ、
日経産業新聞で『ゴシップス・プレス』編集長が取り上げられていました。


「セレブリティ(セレブ)」と呼ばれる海外の有名人人気が、欧米に続き日本でも高まりを見せている。夜遊びや恋愛、散財など破天荒な私生活の写真は、パパラッチと呼ばれるカメラマンが全世界に配信する。それを日本読者向けに編集したのが「ゴシップス・プレス」だ。類似誌が追随する中、販売部数は月間十五万部と最多。「階級社会化」が話題になる中、「アメリカの本当のお金持ちへの関心が高まっている」と分析する。

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読者の九割が女性で十―三十代が主なターゲットだ。最新号の特集は「セレブの買い物ハウマッチ!?」。米俳優ブラッド・ピットさんと女優アンジェリーナ・ジョリーさんの夫婦が買った島は四十億円、米富豪の娘パリス・ヒルトンさんは二時間で千百万円のお買い物といった具合。「気が紛れる」「セレブになった気がする」など支持理由は様々だ。

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価格は三百八十円。「気軽に読める境界は四百円」という。丸めてカバンに入れられる薄さを保つため広告は二ページに限定。編集者は三、四人と低コストを貫く。活字離れといわれるなかでも、現実逃避の志向からか、気楽な娯楽誌への需要は高い、とにらむ。


「ヒットの案内人 ゴシップス・プレス編集長大柳葵理絵氏――セレブの私生活、身近に」, 日経産業新聞, 2008年10月2日.


階層分化が顕著にビジブルになってきてしまったなかで、
一方では『蟹工船』のようなプロレタリア文学が流行しているわけですが、
他方、記事中の言葉を借りれば「現実逃避」的にセレブの情報も求められているのは、
とても興味深いことのように思えます。