『理性の限界』
先週、本多さんに薦められて購入した高橋昌一郎『理性の限界』をつい今まで読んでいました。
タイトルそのまま、人間の理性というか、
理知によってどこまで「真理」に至れるのかという難解な問題を、
あらゆる登場人物を平易な言葉で対話させることによってわかりやすく説明した良書でした。
「選択の限界」、「科学の限界」、「知識の限界」と大きく分かれていて、それぞれ、
「選択」では投票行動のパラドックスからゲーム理論まで、
「科学」では近代科学の成立からパラダイム論まで、
「知識」では論理学の基礎からゲーデルまで、をかいつまんで扱っています。
この本のおもしろいところは、通常は縦割りされてしまうこれらのテーマを、
「理性の限界」という形で統合して、ところどころで横断させている点です。
非常にわかりやすくて刺激的だったんですが、よく考えてみると、
この本に書いてある内容って、大学の教養課程で一度勉強したりしているんですよね。
というわけで、この本を読んで少しわかりにくかったり、勉強しなおそうと思った部分は、
大学時代に使った教科書を紐解こいて掘り下げようかと思います。
「選択」の部分は松原先生の『計量社会科学』、「知識」は無論野矢先生の『論理学』。
理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
- 作者: 高橋昌一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
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