人工着色写真風のNHK大河「篤姫」スチール

自分へのささやかな誕生日プレゼントとして、そして年末に読むための本として、

少し前から書店で見るたび気になっていたウエルベックある島の可能性』を購入。


書店でいろいろと売り場を回っていると、エンタメ系雑誌や歴史系雑誌の辺りは、

すでに来年のNHK大河ドラマ篤姫」にちなんで、ドラマに関連したムックが平積み。


数ある関連書籍のなか、NHKが出しているオフィシャルな番組ガイドの表紙を見て、

初めて大河ドラマのメイングラフィックを知りました。
(ポスターではなく同書表紙より…)

かなり目を惹くグラフィックだと思います。

NHKの発表資料(PDF)によれば、手がけたのはクリエイティブディレクター高松聡氏。

曰く、

今回イメージした世界観は、
大奥の衣装と西洋の家具を組み合わせる事で、激動の時代にも自分を見失わない篤姫の凛とした美しさ、そしてどんな状況であっても決して自分は変わらないという篤姫の心の中にある強さを表現できるような肖像画のような雰囲気を持ったポスターデザインを目指しました。
とのこと。


でも、このスチールで最も凝っていると感じるのは着物と家具云々ではなく、

そのトーンであって、「人工着色写真」調の仕上がりではないかと思います。


恵比寿の写真美術館には、明治期の写真葉書のコレクションもあるはずですが、

それらに用いられた肖像写真や風俗写真の多くは、

モノクロームの写真を部分的に着色したものだったと記憶しています。


人工着色写真の醸し出す、妙な現実感と幻想感の混在。

それをシミュレートしたかのような「篤姫」のスチールはかなり魅力的です。


篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)