米原康正氏の語る「女子カルチャーの衰退」

mixiニュースに紹介されていたサイゾーウーマンのインタヴュー記事が興味深い。
インタヴュイーは編集者兼写真家の米原康正氏。


前半で語られるのは、「作り手のエゴ、受け手・生まれつつあるカルチャーとの乖離」。


CanCam」は、もうアレは自滅だね。男にモテる事を追及していって、行き着いた先が今のオヤジ雑誌のグラビアみたいな誌面でしょ? なんて言うか、男性のエロ本みたいになっているよね。今は勢いのある「sweet」も、遅かれ早かれ同じような運命をたどると思うよ。日本の場合、ストリートに生まれたブームがカルチャーになる前に、オヤジ達の商業主義に飲み込まれて消えていっちゃうんだよ。だからカルチャーが根付かない。
(略)
"とりあえず今流行っているらしいから"という理由だけで、女子カルチャーの事を何も理解していないようなマスコミや企業が群がってきたのが、そもそもの原因だと僕は考えている。自分たちが視聴率や収益を上げやすいように都合よく情報を歪め、インパクトのある部分だけを切り取って世に流してしまった。ほら、流行っているからとりあえず盛り込んどけ!と思って企画作っている人とか、まさにそういうタイプだよね。
かつては「出版文化」という言葉もあったのでしょうが、
いまではカルチャーをまっさきに消費しつくしてしまうのがメディアになってしまっている問題。


ただし、


最初の頃はクラスでもイケている子たちのものだったカルチャーが、ブームとなって広がると、そうでない子たちも参加するようになる。女の子は自分を少しでも可愛く見せたいんだから、イケてない子たちと一緒の服装はしたくないよね。だから、可愛い子は逃げちゃって、カルチャーが廃れてしまう。その繰り返しだね。
これは情報の媒介者たる「メディア」として仕方がない事象ですね。
情報の上流に位置するブームのイノヴェーターのエゴイズムがあるような気がします。


後半で語られるのはモバイルが与えた影響。


確実に(携帯電話に)時間は吸い取られていると思うよ。ただし、モバイルを使った通販の会社は業績があがってるし、携帯電話のせいで、ファッションにお金を使わなくなったっていうのは違うと思う。交通費を使ってお店に足を運んでいた分を、モバイルで買う分に回したってカンジじゃないかな。でも、それってある一定の場所以外はどこにも行ったことのない、海外の貧しいゲットー暮らしといっしょ。携帯電話での消費って、そんなゲットー化を加速させてると思うんだ。
モバイル普及によるメリット、デメリット。
「ゲットー化」はメモしておきたいキーワード。


via サイゾーウーマン記事 前編, 後編